人気や知名度はまだ全然。
でも、音はいきなり「新世代ギター・バンド」のトップ集団入り。 兵庫慎司 (ロッキング・オン/RO69)

The モラトリアムスパゲッチーズ
『ひらがなで、もらすぱ。』

ROJR-0021 定価 ¥1,200+税
2012.7.4 リリース
廃盤商品
  • 1. ああ
  • 2. スキヤキスーパースター
  • 3. くせに
  • 4. 深爪
  • 5. (3×4)+(2×4×2)=28  (※この曲の試聴音源はありません)
  • 6. ひらがなで、まいわーるど。

ディスクレヴュー

「ロックとはガキのたわごとである」ことを立証する傑作!

もちろん、どういうバンドかは知っているつもりだったが、聴いて、本当にびっくりした。こんなにいいバンドだったっけ。いや、いいバンドだったけど、ここまで、これほどまでに、いいバンドだったっけ。もう、断言します。このアルバムのすばらしさは、「RO69JACK」というアマチュア・アーティストを対象としたコンテストで優勝したバンド、としてのレベルではない。あえて具体的に名前を出してしまいますが、たとえばこの4月にメジャーから初のアルバムをリリースしたクリープハイプとか、たとえば一応「RO69JACK出身」だけど、今やもうどこ出身とかのレベルじゃないくらい破竹の勢いであるWHITE ASHとか、そういうバンドと並んで語られるべきすばらしさです、これは。いきなり。つまり、この国における最新のギター・バンドとしての、すばらしさであるということです。
ギター・バンドの基本形に忠実なんだけど、どうしてもクセのあるオリジナルなものに「なってしまう」メロディと歌い方。切迫感と渇望感と焦燥感だけでできたみたいな、そしたらその結果シリアスなだけじゃなくてユーモラスな感覚まで孕んでしまったサウンド・プロダクト。「ガキの不満や愚痴やたわごととしてのロック」という尺度において、異様に完成されている、言い換えれば「完璧な稚拙さ」を誇る、赤裸々な歌詞。どこをとってもすばらしいし、どこをとっても本当にリアルだし、どこをとっても、ギターを持って、人前に立って、でかい音出して歌う必然に満ちている。というか、必然しか見当たらない。特に、どんなにシリアスになっても、どんなに追い込まれても、ちゃんと「ふまじめ」な感じなのが、すごくいい。
知名度の点では、あと演奏力の点でも、それから経験値の点でも、さっき名前を挙げたふたつのバンドにはまだ全然及んでいませんが、気にしないように。まだ若いし(平均年齢21歳)。あと、本人たちがこれを読んでも、なんか誉められてるらしいことはわかっても、一体何をどう誉められてるんだかよくわからないかもしれないし、全然ピンとこないかもしれないが、それも気にしないように。大丈夫です、きみたちは。
あと、このアルバム、プロデュースをしたシモリョー(the chef cooks me)の功績も、相当でかいと見た。1年前に初めて会ったモラスパは、ほんとにただのクソガキで、「自らの衝動を一切損なわないまま人に届く音楽にする」技術や能力が、こんなに高い人たちには、到底見えなかったし。(兵庫慎司 ロッキング・オン/RO69)

プロフィール

The モラトリアムスパゲッチーズ
Vo/Gt:将太
Gt:航
Ba:アンラッキー五十嵐
Ds:小野
2006年、東京都昭島市の中学で結成。立川heart beatでの活動を経て、新宿や渋谷、下北沢などのライヴハウスへ進出。その中で、「赤い公園」とは各々の企画に呼び合ったり、「ズボンズ」の企画に誘われたことも。2011年夏、「RO69JACK 2011」で優勝、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011に出演し、約3,000人を収容するWING TENTを埋め尽くさんばかりに集まったオーディエンスに大音量のハンドクラップを巻き起こした。その後、ギタリストがチェンジし、現在のメンバーに至る。これまでには自主制作でCDを2枚、シングルCDを1枚リリースしている。
そして、いよいよ待望の初・全国流通盤となる『ひらがなで、もらすぱ。』をJACKMAN RECORDSからリリース!リリース後には、10ヵ所前後をまわるリリース記念ツアーを開催予定。
The モラトリアムスパゲッチーズ 公式サイト http://04.xmbs.jp/bwlsmb/